読書 – ニヤリ / Just another WordPress site Thu, 05 Jul 2007 02:22:45 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.8.2 闇将軍―野中広務と小沢一郎の正体 /archives/2007/07/post_623.html Thu, 05 Jul 2007 02:22:45 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=854 闇将軍―野中広務と小沢一郎の正体 闇将軍―野中広務と小沢一郎の正体
松田 賢弥

講談社 2005-09
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おすすめ平均

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思いのほか面白かった。


大きくは田中角栄以降の自民党における野中広務と小沢一郎の権力闘争を軸に、日本の国政に大きな影響力を持つ二人の政治家の素顔に迫るドキュメントになっている。
筆者自身が野中広務に少なからずシンパシーを得ている部分があるようで、若干親野中広務 反小沢一郎的なテイストは残る物の、二人の政治的な姿勢や指向がよく分かる。
言わずもがな小沢一郎は民主党の党首として現在も日本の政治にとって外す事のできないプレイヤーであり、現在の日本の政治というものをウォッチする為に非常に面白い本だった。
内容について細かく言及する事はあえて避けるが、この本に書かれている事件/事象を頭に入れた上で「小泉自民党が何をしたかったのか」「小沢民主党が何をしたがっているのか」というのが見えてくるんじゃないかと思う。
また、加藤紘一、山崎拓、小渕恵三、橋本龍太郎、竹下登、金丸信といった政治家のシルエットが浮かんでくる事で、自民党の抱えるおおきな歪みみたいな物がうっすらと見えてくるのだと思う。


正直これまで野中広務という政治家に対してあまり良い印象を持っていなかったが、この本を読んで”好印象を持ったとは言わない”けれどもその政治姿勢について理解が多少なりともできるようになった。
彼の出自が反野中という文脈中で語られる事が多い昨今において、その根幹理念を理解することはやはり最低限必要じゃないかと思う。
そういう意味において逃げる事無く真っ正面から「野中広務」を描ききったこの本は良書と呼ぶに足るんじゃないかと素直に思う。

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白州次郎の日本国憲法 – 鶴見 紘 /archives/2007/06/post_619.html Fri, 22 Jun 2007 02:30:07 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=850 白洲次郎の日本国憲法 白洲次郎の日本国憲法 鶴見 紘

光文社 2007-01-06
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おすすめ平均 star
star次郎の憲法観を知るには物足りない
star読後感はよろしくないですよ

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イマイチだった。


過去に「白洲次郎 占領を背負った男」を読んでるからか、物足りなさをかなり感じる。
麻生太郎外務大臣の妹御である?仁親王妃信子殿下の談話が掲載されている点が目新しいぐらい。
資料としてはジープウェイレターの写真が掲載されているなど、若干他の書籍にないものがある程度。
それよりも文章のそこかしこからチラリチラリと覗く妙なリベラリズムが鼻につく。
そのせいか白州の言動を無理矢理に(今の)護憲に結びつけようとする不可解な解釈や文章が多く読後感はどこかすっきりしない。
白州は吉田茂や当時の首脳に比べかなりリベラルな考えを持っていたのは確かだとは思う。でも、それはあくまでも他者との比較であって、彼自身リベラリズムに傾倒していたかといえばそれは違うと思う。
彼自身にとっての白州次郎はイギリス貴族であり、親友だったロビン(7世ストラットフォード伯爵 ロビン・セシル・ビング)と同質の人間だったんじゃないかと思う。
それは彼自身が最も大事にしていたプリンシプルや、カントリージェントルマンという生き方などから透けて見えるように思う。
だからこそ本書で描かれている白州像に違和感を感じてしまう。
そういう意味で、この本から得られるものは「そういう見方もあるのね」以上でも以下でもない。


白洲次郎 占領を背負った男 白洲次郎 占領を背負った男
北 康利

講談社 2005-07-22
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小野不由美のインタビュー記事 /archives/2007/03/post_611.html Thu, 29 Mar 2007 09:35:00 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=840 置き所が無いので読書カテゴリに。
英語版の十二国記発売にあわせて英語メディア(?)のインタビューに答えてます。
Fuyumi Ono, Author of The Twelve Kingdoms – Anime News Network

Can you tell us about what you are working on now?

I’m currently rewriting a girls’ horror series I wrote long ago.
The last novel, so far, was released in 2001. Do you plan to revisit the world of The Twelve Kingdoms and write more stories for it?

Yes, I do.

今は悪霊シリーズのリライトだそうだ。十二国記の続編は書く気ではあるらしい。
(´・ω・`) しばらく先だなこりゃ

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ケン・グリムウッド「リプレイ」 /archives/2007/02/post_589.html /archives/2007/02/post_589.html#comments Mon, 05 Feb 2007 05:25:28 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=811 リプレイ リプレイ
杉山 高之 ケン・グリムウッド

新潮社 1990-07
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。気がつくと学生寮にいて、どうやら18歳に逆戻りしたらしい。記憶と知識は元のまま、身体は25年前のもの。株も競馬も思いのまま、彼は大金持に。が、再び同日同時刻に死亡。気がつくと、また?。人生をもう一度やり直せたら、という窮極の夢を実現した男の、意外な、意外な人生。

最近布団から出てこない教祖からの推薦で久しぶりに読んだ小説。
「今の知識を持ったまま過去に戻りたい」という誰もがきっと持っている願望を叶えた男の物語。
リプレイのディレイのあたりで「Xデイへの収束」が予想できて「意外などんでん返し」感は薄れたもののストーリーは秀逸。
現在の知識を使って金も名誉も思うがままになる「リプレイ」世界における人生から「人生の幸福」とは何かを考えさせられた。
あまりに面白くて一気に読み切った。
ファンタジー好きにもSF好きにもおすすめできる良書。
参考:リプレイ (小説) – Wikipedia(ネタバレあり)

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/archives/2007/02/post_589.html/feed 6
巨頭会談 /archives/2005/12/post_361.html Tue, 13 Dec 2005 07:07:25 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=522 巨頭会談 ビート たけし (著)

目次
おかげで打たれ強くなったよ(小泉純一郎)
世界で勝つには“自分流”(青木功)
「鬼平」と「仕掛人」が好きなんです(原田明夫)
時に「魔が差す」こともある(羽生善治)
長嶋よりワシのほうがエライで(金田正一)
核武装の期待と狙い(竹河内捷次)
「酒、たばこ、女」は厳禁!?(ファイティング原田)
私も昔は差別者でした(組坂繁之)
負けろと言われるうちが花(北の湖敏満)
もしもオイラが告知されたら(垣添忠生)

むう。


この中で読みたかったのは小泉首相と 部落解放同盟中央本部執行委員長 組坂繁之氏との対談。
小泉首相との対談では要所要所に軽口を挟みながらもちらりちらりと本音を聞き出している感じ。
内容的にはちょっと期待外れかも。
まぁ、対談中にも話してるように「下手な事は言わない」という気持ちがあるがゆえのことで仕方無いと言えば仕方無いんだけど。
組坂氏との対談は・・・うーん難しい。
氏の考える「差別」みたいなものの片鱗を知ることは出来る。
部落解放同盟の(おおまかな)考え方も知ることが出来る。
(当り前だけど)部落だ何だと言ってもやっぱり同じ人間だってのも再確認できる。
ただ、軽口が多すぎて本質や本音までたどり着いていない気がする。
期待が大きすぎたのかも知れないけど。
自衛隊統合幕僚会議議長の竹河内捷次氏との軍事話や、国立がんセンターの垣添忠生氏との現代がん医療の話など面白い話やひざを打つような話も多い。
決して読んで損をする本じゃないけど欲を言えばもっと濃い対談であってほしかった。

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デルフィニア戦記 /archives/2005/12/post_357.html /archives/2005/12/post_357.html#comments Mon, 12 Dec 2005 08:33:28 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=517 十二国記に続いて読み返し始めた。
相変わらず読みはじめたら止められないおかげで寝不足番長(‘A`) ネムス
デルフィニア戦記 -Wikipedia-

国内の貴族の陰謀によって王位と命を狙われ、城を脱出しかろうじて難を逃れたものの単身再び王の座を奪回せんとする若き国王ウォルの前に、異世界より紛れ込んできたという謎の少女リィが現れる所から物語は始まる。
王位の奪還・隣国との争い・謎の刺客との戦いなどを通して、ウォルとリィを中心とした多くの魅力的な人物が活躍する姿を描き出した一大英雄譚である。

もともと1-10巻まで持ってたんだけど、これを機に揃えてしまおうってことで書店に並んでた11-13を買って14-18はAmazonからの配送待ち状態。復刊された王女グリンダもついでに買っておいた。
金曜日から読みはじめて土日含めた3日間で1-13と王女グリンダ、あと十二国記シリーズの「魔性の子」まで15冊一気に読破。
(‘A`) さすがにやりすぎた。

デルフィニア戦記

著者:茅田砂胡
発行:中央公論社C☆NOVELS
デルフィニア戦記 全18巻(amazon)
(おそらく)中世ヨーロッパをモデルにした英雄譚。
アベルドルン大陸にある3大国家デルフィニア、タンガ、パラスト間の覇権争いを中心とした戦記で、そのうちの一つデルフィニアの人物を中心に物語が展開する。
大きく分けて以下の4部構成となっている。

内乱により国を終われた妾腹の王ウォルが異世界からやってきた少女リィと出会いやがて一度失った王座を奪還するまでの第1部(1-4巻)
タンガ王子と王女となったリィの縁談をきっかけにタンガとの戦争集結までを描いた第2部(5-8巻)
タウの資源を争い始まったパラスト、タンガ同盟との戦争を描いた第3部(9-13巻)
大陸の覇を決する最終戦を描いた第4部(14-18巻)

出て来る人物がそれぞれ魅力的で味があり、シリアスな部分はシリアスに、喜劇的な部分は喜劇的に、実に魅力的なストーリーである。

王女グリンダ

著者:茅田 砂胡
発行:C・NOVELSファンタジア
王女グリンダ(amazon)
デルフィニア戦記のアナザーストーリー。
登場人物はデルフィニア戦記と似通っているもののただの外伝ではなく、まったく別の物語である。
本来こちらが正史となるはずだったが、出版社の倒産によって廃刊となってしまった。
読者の強い要望により復刊することになったが、作者の強い意向により続編が作られる事は無い。
デルフィニア戦記と設定が大きく違うのは、

親衛隊が組織されている。
近衛隊は存在しない。
デルフィニア軍は12将軍の率いる軍(騎士団?)とイヴン率いる独立部隊という構成
リィは王女でありながら将軍職を持っている
シェラが最初からファロット指揮下にいる
スケニアがアベルドルン大陸の大国として描かれている
ナシアスは登場しない

と、こう見るだけで全く違う物語であることがわかる。
もちろん2冊発表しただけで倒産の憂き目に会い完結していないため、デルフィニア戦記とは比べるまでもないが、それでも十分楽しめる物語になっている。
とはいえ、あくまでもアナザーストーリーとして楽しいので、デルフィニア戦記を読み終わってから読む事をお勧めする。

魔性の子

著者:小野 不由美
発行:新潮文庫窶買tァンタジーノベル・シリーズ
魔性の子(amazon)

教育実習のため母校に戻った広瀬は、教室で孤立している不思議な生徒・高里を知る。彼をいじめた者は”報復”ともいえる不慮の事故に遭うので、”高里は崇る “と恐れられているのだ。広瀬は彼をかばおうとするが、次々に凄惨な事件が起こり始めた。幼少の頃に高里が体験した”神隠し”が原因らしいのだが…。彼の周りに現れる白い手は?彼の本当の居場所は何拠なのだろうか?

「自分を受け入れてくれる別の世界が存在する」
主人公広瀬はそう感じる自分を「故国喪失者」と呼ぶ。
そんな広瀬は高里に対し同じ故国喪失者として強いシンパシーを抱く。
「いつか見たあの世界に帰りたい」その思いは高里との邂逅によってより一層強くなっていく。
この本はファンタジー小説の十二国記の外伝でありながら、唯一異色のホラー小説となっている。
勿論描かれている猟奇的な死もこの本がホラーであることの一因であることは間違いないが、この小説でもっとも恐ろしいのはそのラストシーンだろう。
物語中では2-6の生徒をキャンバスに描かれる「未知の恐怖」への対応の遷移、恐怖-排除-恭順を(排除は極めて微小ながら)より強く より潜在的に遷移した広瀬はラストシーンで厳然たる事実と信じて疑わなかった高里への恭順に名を借りた「故国の存在」を絶望的なまでに否定されてしまう。
その-信じて疑わなかった故国-が自分には存在せず、圧倒的なシンパシーを感じた高里に存在するという無慈悲な現実。
それを目の当たりにしてしまった広瀬のアイデンティティが崩壊してしまう恐怖感、絶望感、高里に対する羨望と裏返しの嫉妬心、これらが全てごちゃまぜに織り込まれた最後の叫び、これこそがこの作品をホラーたらしめる一番の要素だと思う。
十二国記シリーズに先駆けて執筆されたこの物語が、何の破綻も無く、かつ相互の謎を補間する形(*1)で見事に絡み合う様は見事としか言いようが無い。
Web上にあるレビューを見る限りこの作品を読んでから十二国記を読む方が良いとなっているようだが、どちらから先に読んでも破綻なく、かつ味わい深く読む事ができると思う。

*1:相互に補間される謎:
「魔性の子」での謎:なぜ延王だったのか、麒とは何か、高里が手を付く事を強く拒否したのはなぜか、高里に憑いているものは何なのか
「十二国記」での謎:行方不明になった泰麒は6年間何をしていたのか、なぜ蓬莢から戻った泰麒は成長していたのか


読んでない本:
巨頭会談 ビートたけし (著) 新潮文庫
ブルータワー 石田 衣良 (著) 徳間書店
買う予定:
スカーレットウィザード(1-4、外伝) 茅田砂胡
暁の天使たちシリーズ 茅田砂胡
迷ってる本:
荻原 規子作品
アルスラーン戦記 田中 芳樹 (著)

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十二国記おもすれー /archives/2005/12/post_354.html /archives/2005/12/post_354.html#comments Wed, 07 Dec 2005 05:18:02 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=512 しかし4日で12冊はハイペース過ぎた。
寝不足で頭いてぇ(‘A`)
以下レビュー

十二国記シリーズ

著者 小野不由美
出版 講談社ホワイトハート

十二国記 – wikipedia

NHKアニメワールド 十二国記

『月の影 影の海』

慶王赤子陽子が王になるまでの物語
現代日本で生まれ育った陽子が異世界(十二国)に踏み込み、それまでの価値観が徐々に破壊されていく過程と、新たな価値観が再生するまでの過程が生々しい。
虚海を超える以前の陽子は万人に体して優しく、悪く言えば八方美人と捉えられるような性格で、これがそのまま麒麟の性と同じであることが興味深く、虚海を超えてから雁にたどり着くまでの旅路を麒麟から王への変遷の道のりと捉えると尚一層味わい深い。
麒麟の仁性は続くストーリーにも続くテーマだが、読み返せばこの最初の巻ですでに触れられていると気づいた時このシリーズの面白さの一片を知ったのかもしれない。

『風の海 迷宮の岸』

泰麒の誕生と泰王登頂までのストーリー。
麒麟という生物(?)を一番掘り下げたストーリーになってる。
慶王と同じく現代日本に流れ付いた胎果である高里 要が十二国世界で麒麟として目覚め、驍宗を王とするまでの過程から、麒麟の性質、性格を感じとることができる。
おそらくこの巻は麒麟というものを掘り下げることに主眼が置かれていて、ストーリーは副次的なものに過ぎないのかもしれない。

『東の海神 西の滄海』

雁の内乱を通じて延王、延麒の生い立ちや人となりを掘り下げるストーリー。
内乱の中心となる延王 延麒と、斡由 更夜のペアの生い立ちに相似点があるところが面白い。
延王 斡由は王の親族として生い立ち、共に王となり得ないという宿命を持っていた。(延王は後に親族の死亡により一時的に王となるが)
しかし延王が豪放磊落で一見ちゃらんぽらんだがその実 王族としての断固たる決意を持っていたのに対し、斡由は真面目で一見情け深い名官吏でありながらその実深い嫉妬と強い強迫観念を持つ。
これはコインの裏表のようなもので、ある意味 斡由は延王のダークサイドであってその意味においてはこのストーリーは 延王の悪しき自分との対決の様相になっている。
もう1つのペア延麒と更夜は両者とも孤児の生まれであり、片や蓬山で厚く遇された延麒と、妖魔(後のろくた)に育てられながらも妖魔と同一視され迫害された更夜と対称的である。
このあまりに似すぎ、あまりに対称的なペアはその主従関係や、戦争に対するスタンスなどにおいても対称的で、その対称性がストーリーに深みを与えているのだと思う。

『風の万里 黎明の空』

慶王となった陽子が、傀儡でなく真の王として立ち上がるまでを描いたストーリー。
同じ海客である陽子と鈴、王家の一員であった(ある)陽子と祥瓊の2つの対称性を軸に展開するストーリーと、遠甫に十二国を学びながら慶王としての国家像を固めてゆく陽子の成長を描くストーリーが同時展開し非常に面白い。
終章での慶王初勅はその過程を読む程に味わい深い名文だと思う。
また、祥瓊の旅程で出てくる次巻の主人公 供王の供麒 打擲のシーンで出たセリフは麒麟の考え方の問題点に対して非常に指摘的だ。
このシーンほど麒麟というものを正確に表したシーンも他に無いと思う。

『図南の翼』

供王珠晶の王になるまでの過程を描いたストーリー。
この巻では作者の「王」像が描かれているのだと思う。
王像を引き出す重要なキーパーソンが、国に属さず自由ながらも厳しいアウトローな朱氏 頑丘であり、他の愚かな王候補達だろう。
未知の状態に陥ったとき、困難な状況に陥ったときに王(リーダー)は如何に考え如何に行動すべきか、そういった「王」とは何かが蓬山行を種に見事に描かれている。
その集大成が犬狼真君との会話だろう。
ストーリーとは関係ないが、供麒邂逅のシーンでは前巻のやりとりを思い出してニヤリとした。

『黄昏の岸 曉の天(そら)』

戴での内乱によって蓬莢(日本)に流された泰麒と、それを助けるため奔走する李斎と慶王や各国の王麒麟たちのストーリー。
# 物語が泰麒の帰還までで止まっているので、泰王帰還編でなるであろう次巻で多くの伏線が明かされるであろうことを考えるとレビューとしては中途半端になるので多くは書かない。

石田衣良作品

電子の星 池袋ウエストゲートパーク4

「東口ラーメンライン」「ワルツ・フォー・ベビー」「黒いフードの夜」「電子の星」の4本。
東口ラーメンラインはIWGPスープの章の元になったのかと思っていたら全く別物だった。
4本とも池袋(東京)のダークサイドを濃密に描きながらも読み終わると爽やかなのはさすが石田作品だとしか言いようが無い。
この中だと「ワルツ・フォー・ベビー」が一番好きかな。


積んである本:
華胥の幽夢(十二国記外伝)
4TEEN
これから買う:
反自殺クラブ(池袋ウエストゲートパーク5) – 文庫化されたら
アキハバラ@DEEP
東京DOLL
(‘A`) 寝不足はしばらく続きそうだ

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/archives/2005/12/post_354.html/feed 2
IWGPの原作を読んでみた /archives/2005/09/iwgp.html Thu, 01 Sep 2005 06:54:26 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=406 石田衣良にハマり続けてるこの頃。
そもそも石田衣良を知ったIWGP(池袋ウエストゲートパーク)はドラマでかなり面白かった覚えがあり、かつ、過去原作を読んでイメージの違いからがっかりした作品が多かったってのもあって原作は避けてきたんだけど、とうとう勢いあまって購入してみた。
IWGPシリーズは今のところ
池袋ウエストゲートパーク
少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉
骨音 池袋ウエストゲートパーク3
電子の星 池袋ウエストゲートパーク〈4〉
反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパーク 5
の5冊が出てて、買ったのは文庫本になってる1-3。
今のところ2までしか読んでないけどちょっと感想を。


物語は主人公の真島誠(マコト)の一人語りで進行し、1冊4部ぐらいの短篇がまとまってる形。
1-2巻の途中までがドラマ版(宮藤官九郎版)の元になっている部分で、途中からが完全にオリジナル(というかこっちが原作なんだが)になってる。
ドラマ版と違い、キング(タカシ)が意外とマトモとか細々といろいろあるけれどそれほど気にならない。
むしろこれをイメージを壊さずにドラマ化した宮藤官九郎の手腕に驚く。
それほどにドラマとの親和性は高い。
このドラマが好きだった人には是非読んでもらいたいと思う程面白かった。


というこのエントリがNiceLink4MTのテストのために書いたってのはヒミツだ:-P
以下NiceLink4MTのテスト
・画像つき
池袋ウエストゲートパーク
・Google検索から
池袋ウエストゲートパーク
・Google検索の最初の1個をリンク
池袋ウエストゲートパーク

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エンジェル/石田衣良 /archives/2005/08/post_261.html Mon, 08 Aug 2005 04:42:33 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=362


エンジェル
石田 衣良 (著)
夏の夜、自分自身の埋葬を目撃した掛井純一は、何者かに殺され「幽霊」として蘇った。失われた記憶と自らの死の謎を追って、欲望と計算にまみれた現世の人間を探偵していく。縁を切った資産家の父、父代わりの弁護士、映画界の巨匠、ヤクザ風の男たち、そして一目で魅せられた女優の卵…。死後の恋を守り、すべての謎が解けた夜明け、死者の「生命」を賭けた究極の選択が、純一に迫る!記憶喪失の幽霊が「自分自身の殺人事件」の謎に挑むファンタジック・ミステリ。

生き生きと死後を生きる。そんな感じの幽霊 掛井純一の物語。
IWGPの作者だけあって物語がテンポ良く展開されて読んでいて気持ちが良い。
こんなに有意義な死後なら幽霊も悪くないなとか思ったり。

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スイッチを押すとき /archives/2005/08/post_260.html /archives/2005/08/post_260.html#comments Mon, 08 Aug 2005 04:21:34 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=361 ニヤリ: なんで生きてるんだろうの元になってるような気がする小説を偶然見付けて読んでみた。


スイッチを押すとき

山田 悠介 (著)

あらすじ

2030年、若年自殺者の増大に危機感を抱いた日本政府は若年自殺者を研究するために研究施設JSCを開設し、その研究のため無作為に抽出した5歳の子どもに心臓手術を受けさせ10歳になるとその子をJSCに収監した。
収監された子どもたちは自分の心臓に取り付けられた機械に信号を送り苦痛もなく死ぬ事ができるスイッチを渡され、毎日変化の無い退屈な毎日を強要される。
絶望的な状況で子供達は次々とスイッチを押していく。
主人公は看守として横浜JSCに配属され、そこで7年間スイッチを押さずに生き延びている4人の子供達と出会う。


一見して救いの無い物語に見えて、実は大いなる救いの物語なのかもしれないと考えたりする。
結論はまだ出てない。

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ピーターの法則 /archives/2005/04/post_141.html /archives/2005/04/post_141.html#comments Tue, 19 Apr 2005 03:31:26 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=171
ピーターの法則-創造的無能のすすめ-

「組織は時と共に無能な人物で占有される。」
概要はこのへんから読める。


読んで理解してみれば極めて当たり前のことしか書いていないことがわかる。
しかし、読むまでは漠然と認識していても問題点がどこにあるかわからない。
そんな本。
前提となる公理は以下。

1.ある役職において優秀な仕事をする人物はいつか昇進する。
2.役職ごとに仕事で必要な能力は異なる。
3.役職は有限個しか用意されない。

この場合において、ある一人のプログラマーを仮定し注目してみた場合、

(1)プログラマーとして優秀なAはチームマネージャーに昇進する。
(2)Aがチームマネージメント能力に欠けた場合以降昇進せずに留まる。
  Aがチームマネージメント能力に秀でていた場合プロジェクトマネージャーに昇進する。
(3)Aがプロジェクトマネージメント能力に欠けた場合以降昇進せずに留まる。
  Aがプロジェクトマネージメント能力に秀でていた場合開発部長に昇進する。
(4)Aが外部折衝能力に欠けていた場合以降昇進せずに留まる。
  Aが外部折衝能力に秀でていた場合CTOに昇進する。
:  

という風に、昇進を繰り返すたびに必要な能力は変化し、その地位に見合った能力が無い場合、その地位で優秀な成績を残せないため、それ以降昇進することは出来なくなる。
この風潮は各個人に適合し、全員が無能レベルに到達するまで昇進が繰り返される。
ただし、役職は有限であることと各個人の上司が既に無能レベルに到達していた場合、昇進の歩留まりが発生し奇跡的に有能レベルで止まることもある。
これらの事から、おおよその場合において、充分時を経た組織の上部は無能レベルに到達した人間のみで構成され、その組織の仕事は有能レベルに留まっている人間によってのみなされていると言える。


ま、そりゃそうだわな。
適用職能が全く違う役職がピラミッド構成に線形的に結合されていることがそもそもの問題で、それぞれ専攻する職能において別々のヒエラルキーが形成される方が良いに決まってる。
「名選手、名監督ならず」じゃないけど、技術畑一直線のプログラマーにマネージャーやらせようっつーのが間違ってるわな。
給与体形を決定付けるヒエラルキーは技術者であれば技術の習熟度や知識の幅をもってなされるべきなんじゃねーかな。と思う今日この頃。


この本に共感を得るところの大部分が、最近管理職じみた仕事が増えてきたからだったりする。
はっきり言って人を管理することなんて俺にゃー向いてねーのよ。
と、つぶやいておこう。

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レビュー:MBA全一冊 /archives/2005/03/mba.html /archives/2005/03/mba.html#comments Wed, 02 Mar 2005 04:36:52 +0000 http://v-182-163-78-5.ub-freebit.net/?p=88 面白そうだったので買ってみた。
MBA全一冊
なるほどと思った部分なんかを抜粋してみる。
読み進むうちに追記を足してくつもり。


人は発明やテクノロジを買うのではなく、問題解決の手段を買うのだ。ディーン・カーメン

技術者は意外とこの単純明快な事を見誤りがちだと思う。
どれほど素晴しい技術を集結した製品であっても、問題解決に到らなければ一片の価値もない。
逆に、どれほど使い古された技術のみで作られていても問題を解決できれば価値がある。
その大前提の元で、テクノロジとは問題を如何に簡単に解決するかという場面において真価を発揮すると考える方が良いと思う。
時に経営者でさえこの事を忘れてしまう事がある。
過去の製品と同じ機能で.netに対応しただけのバージョンアップとか云わずもがな。
これが自分の会社の事を指してるのが痛し痒し。

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